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2025年09月30日 イベント

【観峰館】開館30周年特別企画展「王羲之からの手紙」開催について

公益財団法人日本習字教育財団が運営する「書の文化にふれる博物館」観峰館は、平成7年(1995)10月の開館から令和7年(2025)で30周年を迎えます。

 そこで開館30周年を記念し、“国宝「孔侍中帖」と中国書法名品選”をテーマとして、書の世界では知らぬ者のいない書聖・王羲之(おうぎし)の書風を伝える国宝「孔侍中帖」(前田育徳会蔵 表紙画像)を中心に、重要文化財3点を含む中国書法の名品を観峰コレクションの資料とともに展観いたします。

中でも、北宋の三大家による蘇軾「行書李白仙詩」(重要文化財 大阪市立美術館所蔵)・黄庭堅「李太白憶旧遊詩巻」(藤井斉成会有鄰館蔵)・米芾「草書四帖」(重要文化財 大阪市立美術館所蔵)の3点は、ともに観峰館が所在する東近江市にゆかりのある実業家のコレクションであり、関西地域に収蔵されているにもかかわらず、そろって展示されることはまれで、滋賀県では初公開となります。

 本展では、筆者の自然な書きぶり(卒意)が垣間見られる書作品や特定の相手を対象にして制作されたプライベートな資料などをメインに、書の魅力にせまる企画です。

ぜひ書の博物館・観峰館でお楽しみください。
【観峰館】開館30周年特別企画展「王羲之からの手紙」
会期 令和7年(2025)10月1日(水)~10月26日(日)※会期中休館日なし
開館時間:9時30分~16時00分(入館は15時30分まで)
入館料 一般1,800円(1,500円)/学生1,200円(1,000円)/高校生700円(500円)/中学生以下無料
※各種割引あり。( )内は割引料金

※障害者手帳をお持ちの方は割引料金となります(付き添いの方1名様含む)。
今回の展覧会では無料となりませんので、ご了承くださいますよう、よろしくお願いいたします。
主催 公益財団法人日本習字教育財団 観峰館
イベント ●ギャラリートーク
本展をより深くお楽しみいただくために、学芸員によるギャラリートークを開催いたします。
開催日: 特別企画展開催中の毎週水曜日(10/1,8,15,22)、第3・4土曜日(10/18,25) 
開催時間: 午前10時~、午後2時~(各回40分程度)
詳細 本展の詳細は観峰館HPよりご確認ください。
 

主な展示作品

国宝 王羲之「孔侍中帖」」 唐時代(7~8世紀)摸 前田育徳会蔵

真蹟の伝わらない王羲之の書風を知ることのできる最良の摸本で、奈良時代に日本に来ました。カスレや虫食いまでも精巧に再現されています。
 

王羲之「集王聖教序」北栄拓本 原碑 唐時代(7世紀) 黒川古文化研究所蔵

「聖教序」は玄奘三蔵の漢訳仏典に太宗が与えた序文。「集王…」は王羲之の文字を集めて本文を作ったもの。宋拓とされる本品は損傷が少なく貴重。
 

重要文化財「李柏尺牘稿」前涼時代(4世紀)龍谷大学図書館蔵

大谷探検隊がシルクロードで発掘した李柏による手紙の草稿。王羲之と同時代の肉筆文書で、大変貴重。王羲之の初期の書風に近いものと考えられています。
 

宋の三大家(蘇軾・黄庭堅・米芾)の名筆がそろって展示!

重要文化財 蘇軾「行書李白仙詩」北宋時代(11世紀)大阪市立美術館蔵

署名はないものの、宋の三大家の一人である蘇軾(1036~1101)58歳の作と認められている作品。躍動感あふれる自在な運筆が魅力の名品。
 

重要文化財 黄庭堅「草書李太白憶旧遊詩巻」北宋時代(11世紀)藤井斉成会有鄰館蔵

落款を欠くが、宋の三大家の一人である黄庭堅(1045~1105)による草書の晩年の作と鑑定される。変化と躍動感に富む最高作。
 

重要文化財 米芾「草書四帖」(11~12世紀)大阪市立美術館蔵

宋の三大家の一人である米芾(1051~1107)の尺牘(手紙)・詩稿を集めたもの。王羲之をはじめとする伝統的書風を継承する代表作。
 

董其昌「行書崑山道中書」明・万歴43年(1615)澄懐堂美術館蔵

芸林百世の師と称され後世に大きな影響を及ぼした明・董其昌(1555~1636)の自然で優美な行書による随筆書巻。
 

鉄保「行書平定州修石路記」 清・嘉慶一八年(1813) 黒川古文化研究所蔵

書風は顔真卿に学んだもので、沈着な運筆で揮毫された重厚かつおおらかな筆致による碑文の草稿。